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卵管鏡下卵管形成術(FT)※日帰り手術

卵管が詰まったり狭くなっている場合でも自然妊娠が目指せる手術です。

卵管は精子と卵子が出合う場所であり、もし詰まったり、狭くなっていると妊娠の大きな妨げになります。そのような場合には体外受精も有効ですが、手術で卵管の詰まりを改善して自然妊娠を目指する方法があります。それがFT(卵管鏡下卵管形成術)という治療法です。

FT(卵管鏡下卵管形成術) 保険が適用される手術です。 

FTは内視鏡手術の一つで、子宮口からカテーテル(細い管)を挿入し、内視鏡の画像をみながら卵管内に進み、筒状のバルーン(風船)を使って詰まった卵管を拡げる手術です。手術の前には子宮卵管造影(HSG)を行い、卵管のどの場所に異常があるかを調べます(持参された写真でも通常診断可能です)。卵管の異常が子宮に近い側の場合に特に有効で、「卵管がまったく写っていませんね」といわれた方にも自然妊娠の可能性が得られます。ただし、卵管の先端に近い部分(子宮より遠い側)に異常がある場合はFTよりも腹腔鏡手術の方が有効になります。
体に切開を行うことなく、通常は30分程度で行えるため、身体への負担が少ないのが特徴です。卵管鏡下卵管形成術は体外受精と異なり、保険が適用されます。

  • 卵管が詰まっている方でも自然妊娠が目指せます
  • 身体への負担が少ない手術です
  • 日帰りでの治療が可能です(手術時間:約30分)
  • 健康保険が適用されます
  • 卵管の先端が詰まっている方には向きません
  • 術後短時間で再度閉塞することがあります

FTの実際

【手術時期について】

FTをおこなう時期は、月経が終了したあと、排卵までの比較的短い期間が適しています。子宮内膜が薄い方が卵管口を見つけやすく、手術の成功率が高くなるたからです。そのため、月経開始時期によっては手術可能日と予定が合わず、翌月に再度計画する場合があります。

【治療時の痛みと麻酔】

全く痛みを感じない方もいますが、子宮口や卵管をカテーテルやバルーンが通るときに痛みを感じることがあります。そのため、子宮の入口部分への局所麻酔、または静脈麻酔を使用します。

【副作用】

  • 局所麻酔、静脈麻酔に伴う副作用の可能性はありますが、他の手術と同程度です。
  • 術後に腹痛や少量の出血がみられることがあります。
  • 術後に子宮、卵管に炎症を起こす可能性があります。
  • ごく稀ですが腹腔内出血をおこし輸血や手術を必要とする可能性があります。
  • 日帰り手術を基本としますが、副作用の程度によっては、入院が必要になる場合があります。